みなさんご存じのように聖ペテロはとても生真面目な人だったようで、天国に入るための鍵を管理していました。ある時期、神様はいい加減な人間を天国に入れさせないようにしていました。なぜなら、いつも規則は守らないし、どこへでも寝ころがって酒を飲んだり散らかしたりした上に、決して掃除をしようとしなかったからです。神様は言いました。「真面目な信者だけ天国に入れるようにせよ!いい加減なものは、中途半端な境界や、地獄や、人間界に滞在させよ。所かまわず大声で笑ったり、騒いだり、ごみを散らかして、もうこれ以上我慢できない。天国をこのままにしておいてはならない」聖ペテロは神様の命令を真剣に聞き入れ、いい加減な人間を入れないように厳しくチェックすることにしました。
生前、いつも冗談を言って暮らしていた婦人がいました。彼女は何事も本気で受け取らず、朝から晩まで笑っていました。往生後、もちろん彼女は天国に入りたかったのですが、聖ペテロは、「だめです。あなたは入れません。 神様は最近人間の笑い声や冗談にうんざりしていらっしゃいます。神様は不真面目な人が上がってくることを禁止なさいました。お気の毒ですが。」と言いました。
婦人はがっかりして、「お願い、もう1度チャンスを下さい。天国に行けば、冗談を一切口にしないと約束します。真面目になって、2度と歯を見せるようなことはしません。ええ、歯を1本も見せないわ!」と言いました。
すると聖ペテロが応えました。「だめ、だめ、あなたのような人はもう癖になっているのですから、どうやって真面目な人間に変わることができるのですか」婦人は、「お願いだから私を信じてください。もう言わないから。絶対保証します」と言いました。
聖ペテロはすっかり婦人に同情してしまいました。生前、婦人は大変誠実で悪いことは何もしていませんでした。いつも教会に通っていたし、牧師に求められれば寄付をしました。慈善を施し、教会の求めに応じて何でもしました。ですから、実際彼女はとても信心深い人だったのです。そこで、聖ペテロは「あぁ、記録を見る限り、毎日大声で笑う以外に問題はありません。もし、真面目になると約束するなら、まず、神様に相談してみましょう」
聖ペテロは戻って神様に報告しました。神様は、「本当かな。もし、それほど行儀が良いなら、そしてむやみに笑わないとしっかり約束してくれるなら、もう1回チャンスを与えよう。しかし、君はまず、婦人がほんとうに真面目になるかどうかテストをする必要がある。彼女に1000マイルの橋を渡らせてみよう。もし、このとても狭い、カミソリの刃のような橋を渡る間に、全く笑わず、一言の冗談も言わなければ入れても良い。さもないと、橋が壊れて彼女は落ちてしまうだろう」
聖ペテロと婦人は一緒に橋を渡ろうとしました。突然、婦人は習慣からぺちゃくちゃ冗談を言い始めました。聖ペテロが「冗談をやめて! 笑わないで。いいですか」と言うと、彼女は応えて言いました。「分かりました。うっかりしました。もう言わないし、笑いません」しかし、二人が渡っている最中に、橋は突然壊れてしまいました。どうしてかお分かりですか。聖ペテロが笑い出してしまったのです。笑い話を聞いて、思わず吹き出してしまったのです。
|