医療としての光と音

 観音法門は、観光と観音の二つの部分から成り立っています。愛するマスターの教えや多くの修行仲間の経験からもおわかりのように、この内在の光と音は、スピリチュアルな進歩だけでなく、体の健康を維持するのにも役立ちます。
 私たちが毎日メディテーションで体験する内在の光と音はもちろんですが、外在の光と音にも治療効果があるという事がますます私たちに確信をもたせ、最近の医療の進歩により、光と音の治療効果が付帯的に実証されています。内在の光や音の、目に見える効果や目に見えない効果は、多くの人の生活の中で実証されています。現代科学の進歩につれて、今後ますます、観音はすべての病気を治すという事が実証されて、精神修行は科学の最高の形であるという事が明らかになってゆくでしょう。

癌治療を光線療法で

 現在、年間100万人が新規に癌を診断されており、今後、アメリカの人口の25%の人々が一生のうちに癌と診断されるだろうと言われています。残念ながら、これらの患者のうち手術や局所の放射線治療の単独、または集学的治療で治癒する割合は全体の1/4以下でしょう。残りのほとんどの患者は、全身化学治療を受け続けなければならない状況です。しかしながら、ほとんどの場合、薬による治療は疾患の緩解をもたらすだけで、合併症や再発などにより結局は死に到っているようです[1]。そのため、よりよい癌の治療方法の発見は、常に医学者にとっての目標となっているのです。
 最近、光造影療法という薬物を使用しない新治療が多くの固形癌(充実性腫瘍)の治療に使用されるようになってきました。例えば、治療により癌細胞を死滅させたりします[2]。光感受性物質であるシリコン・フタロシアニン(Pc4)を投与し、強い可視光線を当てるのです。まず、光感受性のPc4を癌細胞に注入します。Pc4が光線にさらされると、細胞内のNOや活性酸素であるOHやO2の産生が増加します。こうしてアポトーシス(細胞崩壊)が起きたり、細胞が死滅したりします[2]。この方法は、癌の治療効果の向上や臨床応用の可能性を秘めている事から多くの注目を浴びています。

生理不順を光線療法で治療

 女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンに大きく分かれます。このホルモンが体内で変化する事により、第二次性徴、妊娠や生理周期の調整、代謝過程の変化に大きな役割を果たしています[3]。ホルモンの異常をきたした患者は、身体的、精神的に不快になりがちです。よく見られる症状は月経前期気分障害(PMDD)ですが、これは、生理の不快さはもちろんの事、うつ病、緊張症、不安症などの重症の気分障害をもたらします[4]。現在、抗うつ剤や従来の心理療法が、このような気分障害の患者の治療として行われています。しかし、薬物の副作用は避けられず、治療継続に支障をきたしています。
 幸いにも、最近の医学研究によれば、光線療法でこのような月経前の症状を抑えたり改善したりするのに効果がある事が示されています。研究結果によると、1週間の光線療法(毎日、朝夕2時間ずつ6000ルクス以上を照射)の後、PMDD患者には多くの点で顕著な改善が見られました[4][5][6]。

光線療法によるアルコール禁断症状の治療

 アメリカでは、人口の65〜70%の人々が飲酒していると言われています。このうち1000万人以上の人がアルコール中毒で、別の1000万人の人々が過度の飲酒により社会的に問題になっています。アルコールは、犯罪、自動車事故、暴力、労働災害など、職業上でも健康面でも人々に悪影響をおよぼしています。アルコール多飲者は、健康管理システムも濫用しているでしょう。病院患者はかなりの数にのぼっています。このように、過度の飲酒は公衆衛生の大きな問題となっています[7]。加えて、慢性アルコール中毒患者は精神的にも肉体的にもアルコールに依存するので、ある期間飲酒を続けると、禁酒するのは難しくなります。というのは、禁酒により不安症、不眠、震え、興奮、食欲不振、錯乱、多動などのアルコール禁断症状が引き起されるからです。
 従来、このような患者には鎮静剤が投与されていました。しかし最近アルコール禁断症状患者に対して光の治療を試みたところ、適応能力の改善が見られました。この研究により、光(光の強度:3000ルクス、照射時間:毎日朝2時間および夕方2時間)が、鎮静剤の投与を受けた事がない10人の患者に処方されました。実験結果では、急性のアルコール禁断症状を持った患者の睡眠の質や精神安定が光線療法で改善した事が示されました[8]。

パーキンソン病における光治療

 パーキンソン病は、高齢者の中では4番目に多い神経疾患で、アメリカだけでも約500万人がこの疾患で苦しんでいます。この病気には50歳以上の人の66%以上が侵されており、年齢に関係した病気です[9]。これは進行性の筋運動の神経障害で、震え、筋固縮、姿勢保持障害、動作緩慢(随意運動の開始と実行が遅い)を特徴とします[10]。さらに、このパーキンソン病の特徴的な症状として、随意運動時には消失する安静時の震えがあります。また、パーキンソン病患者は真っすぐな姿勢を維持する事ができません。
 臨床的に、この病気には薬物投与を行なっており、主な薬物としてLドーパなどがあげられます。しかし、このLドーパ治療は、効果が3〜5年しかないという事が大きな問題で、この期間を過ぎると、on and off現象(つまり、薬が効いたり効かなかったりする)が現れてきます。長期投与により、神経の退化現象は進行します[9][10]。
 近頃、40人のパーキンソン病患者が、完全に、または部分的に休薬(薬物を使用しない)し、人工の白色光による(強度:3300ルクス)治療を受けました。光線治療により、患者は休薬に耐えやすくなりました。また、治療の結果、筋固縮、動作緩慢(過度に動作がゆっくりしている)の症状を抑え(震えは不変でしたが)、うつ症状を減少させ、運動機能を向上させました[11]。
 他の光治療を利用したものとしては、可視光線による急性や亜急性の湿疹、腫瘍、皮膚炎、幼児の黄疸症状の治療、紫外線による消毒、無菌処置、レーザーによる手術、温熱療法、光圧療法、鍼治療などへの応用、光化学療法による皮膚病の治療などがあります[12]。

音に関する治療法

 超音波療法は、2万Hz以上の超音波を使っていますが、これは細胞内の微分子を活性化させ、組織を柔らかくし、「マイクロマッサージ」のように機能します。超音波の吸収を促進するさまざまな組織の相互作用により、温熱効果もあります。この治療法は、神経系、腱、乳線、筋肉疲労、瘢痕、硬皮症や、脳梗塞後遺症、網膜および視神経疾患などに利用されています。他には、電流と超音波を一緒に流す方法が、各組織の炎症や神経の痛みの症状に有効です[12]。
 物理的な光と音を使ったこれらの治療効果をみると、光と音による瞑想は精神修行の向上につながるばかりでなく、細胞機能を活性化し、悪玉細胞を取り除いたり、神経系統を安定化させて後退を予防したり、神経疾患を治癒したり、ツボを刺激したりして、精神や肉体の健康にも大きな効果があると言えます。それによって睡眠パターンを改善したり、うつや不安も治します。私たちは、光と音にもっと治癒効果がある事が科学的に証明される日が来ると信じています。内在の光と音を瞑想すると、体、心、魂が修復され、養われますが、それは、大宇宙の「最高の薬」で治療しているようなものです。マスターは、一日2時間30分、適切な時間配分に従って観光と観音を行いなさいと強調しています。これはちょうどお医者様の処方箋のようなもので、最高の結果をもたらすためには、処方箋に従って、最善を尽くさなければならないのです。


参考文献

1. Harvey RA. & Champe RC.著/J.B.リピンコット社/リピンコットのイラスト薬理学評論第二版38章:373(1998)
2. Cupta S., Ahmad N. & Mukhtar H. 著/Cancer Research(癌研究)58章:1785-8アポトーシスを介したフタロシアニン(Pc4)光造影治療におけるNO(一酸化窒素)の関与(1998) 
3. Brody TM., Larner J.& Minneman KP. 著/人体薬理学第三版 38章:P499-506(1998)
4. Parry BL., Berga SL., Mostofi N., Klauber MT.& Resnick A. 著/月経前期気分障害と正常コントロール群における月経中及び光治療後の血漿メラトニンの日内変動 12章:47-64(1997)
5. Lenzinger E., Diamant K., Vytiska-Binstorfer E. & Kasper S. 著/月経前期気分障害:診断、疫学、治療方針の概要 Nervenartz 68章:708-18(1997)
6. Parry BL., Udell C., Elliott JA., Berga SL. Klauber MR., Mostofi N., LeVeau B. & Gillin JC. 著/Journal of Biological Rhythms(生体リズムジャーナル)12章:443-56 月経前期気分障害において、鈍相は朝の光に反応してシフトする(1997) 
7. Brody TM., Larner J. & Minneman KP. 著/人体薬理学第三版 23章:P435-437(1998)
8. Schmitz M., Frey R., Pichler P., Ropke H., Anderer P., Saletu B. & Rudas S.著/ Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiaty(神経精神薬理学と生体精神医学の進歩)アルコール禁断中の光学療法における睡眠の質21章:965-77(1997)
9. Harvey RA. & Champe RC.著/J.B.リピンコット社/リピンコットのイラスト薬理学評論第二版29章:385-7(1998) 
10. Brody TM., Larner J. & Minneman KP.著/ Mosby有限会社/人体薬理学第三版25章:P339-40(1998)
11. Artemenko AR. & Levin lal著/ Zhurnal Nevropatholgii I Psikhiartrii Imeni S-S-Korsakova(パーキンソン患者の光療法)96章63-6(1996)
12. http://www.jiexiang.com.cn/index5_2.htm