笑い話

時間が来た

スプリームマスター・チンハイ(中国語) フォルモサ・苗栗西湖 1992.9.13

 お茶を入れてマスターに給仕する係の弟子がいた。彼のマスターは骨董品の急須を持っていて、とても大切にしていた。ある日、弟子は瞑想状態に深く入りすぎたのか、腕の力が抜けてうっかり急須を割ってしまった。恐ろしくなって、いったいマスターにどう説明したらよいのかわからず、お茶の時間になってもそこにボーッと突っ立っていた。
 しかし、ついに彼は自分を救う妙案を思いついた。身なりを整え、マスターのもとに進み出てうやうやしくひれ伏して言った。「私は大きな疑問を抱えておりまして、かねがねマスターに伺いたいと思っておりました。しかし、お邪魔になると思って言えなかったのですが、今日はその質問をさせていただいてもよろしいでしょうか」。
 マスター:もちろん、かまいませんよ。あなたがこれまで私についてきたのは、質問をするためでしょう。もっと早く聞けばいいのに。
 弟子:では、マスター、どうして世の中のものにはすべて生があり、死があるのでしょうか。私や先生も、やがては死ぬのでしょうか? 私たちのように一生懸命に修行しても、必ず死ななければならないのでしょうか?
 マスター:そうです。お釈迦さまも、キリストも孔子も老子もみんな死んだのです。生があれば死もあるのですよ。
 弟子はなおも問い続けた。「何か死なないという例外はないのでしょうか?」。マスターが答えて言った。「絶対にありません! 生まれたら死ぬのです。時間が来れば必ず死ぬのです!」すると弟子は立ち上がって言った。「マスターにご報告します。マスターの急須は、きょう、時間が来ました!」

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