観音使者見聞録

文/観音使者

焼けない写真

 1999年7月25日、東京郊外にある、自然に囲まれた津久井道場で印心が行われました。道場は、この貴重な印心に参加するために各地から来た修行仲間で一杯になりました。千葉県郊外に住む、しばらく共修会に参加していなかったある女性が、自分の忘れ難い体験をみんなに伝えてマスターの大きなパワーを証明しようと、さまざまな困難を乗り越えて印心に参加しました。
 少し興奮気味に涙ぐむ彼女は、家族三人のパスポートと千元札の台湾紙幣の束を取り出して話しました。その年の初め、娘の不注意で自宅が火事になり、家中の物が残らず燃えてしまいました。柱は真っ黒に焼け、畳も灰になってしまいました。外出先から戻ってこの情景を見た時、彼女は思わずポカンとしてしまったそうです。この時、灰になった畳の上に、三冊のパスポートと束になった千元札の台湾紙幣、そしてその上に置いてあった円形のマスターの写真が全く焼けていない事に気づきました。千元札の周りは少し煙で黒くなっていただけでした。周りの柱はすべて炭になり、畳も灰になってしまったのに、最も燃えやすいはずの紙幣とパスポートは何ともなく、彼女は眼の当たりにした事実をとても信じられませんでした。ただ、その二つの上に、小さなマスターの写真を置いてあっただけだったのです。その時、彼女はあまりの感動に言葉もありませんでしたが、心の中では、これはマスターのパワーだとわかっていました。なぜなら、そばに掛けてあった夫のスーツは、ポケットの中のパスポートごと灰になってしまっていたからです。
 火事の前夜、家中のマスターの本を早く親戚に配らなければ、という思いにかられ、その晩、彼女はすべての本を配っていました。そのインスピレーションによって、マスターの本を守る事ができるとは想像もつきませんでした。修行仲間たちも目の前に置かれたパスポートと千元札に驚きました! 本当に不思議な事です!