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本当の“ノアの方舟” |
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フォルモサ・台北・三峡 洪美糸
917ナリ台風がフォルモサ北部を襲った時、豪雨が50時間も降り続き、洪水が起こりました。そんな光景から、つい「ノアの方舟」の物語を思い出してしまいました。しかし、現実世界の「ノアの方舟」はいったいどこにあるのでしょう。
テレビやラジオの生中継では、次々に川の堤防が崩れて、首都台北の多くの地区が洪水で氾濫した様子を伝えていました。人々は家の一階からニ階あるいは三階まで上がらなければならず、逃げ場のない人は仕方なく家をあきらめ、救助隊員について安全な場所へ避難しました。当時の台北はまるで水浸しになったアリの巣のようで、人も車も混乱して、必死になって高い所へ逃げるようにはい上がって行きました。
幸いなことに、私は郊外の比較的高い所に住んでいます。しかし、2日間にもわたって断続的に大雨が降ったので、いつもみんなが親しんでいる団地の裏山も、この時ばかりは命や財産をおびやかす「山の怪獣」のように見えました。特に、夜中の1時か2時頃に集会所のスピーカーから、町長の「土砂崩れに注意せよ」という警告が伝わってきた時には、みんな家を飛び出して真っ暗な大雨の中を不安そうに右往左往していました。こんな夜中に外へ出されて、みなニ年前の921大地震の時と同じ恐ろしさを再び味わわされましたが、今回はさらに暴風雨や土砂も加わり、激しいガラガラという音が人々の心を襲い、不安をかきたてていました。狂ったような雨の神が、いつ山の神を怒らせて土石流が発生してもおかしくない状況でした。
やっと夜が明けました。雨の神が少し疲れてきたのか、雨の勢いはそれほど強くなくなってきました。みんなですぐに山の様子を見に行くと、四カ所が崩れていました。間に合わせの車庫がいくつか壊れ、地下室は浸水していましたが、運良くどちらもあまりひどくはありませんでした。前の晩、隣のアパートの裏山は一時緊急事態に陥っていたのですが、見ると滝ができていて、五、六階ほどの高さからまっすぐ流れ落ち、驚くほどの音が響いていました。しかし、私の住むアパートは、隣とは壁一枚しか離れていないのに、その裏山は何ともなく、木や草は青々としていました。まるで皮を剥がされたような隣のひどい状況と比べると、天と地ほどの違いがありました。木がしっかりと土を掴んで離さなかったために、私の家の裏山は変わることなくしっかりとしていたことを木の神様に感謝しました。
恐ろしい一夜が過ぎ、翌日の天気予報で台風が南へ進み始めたと知って、私たち台北に住む兄弟姉妹はフォルモサ彰化で暮らしている母とニ番目の兄に何度も電話をして、早く荷物をニ階まで上げるようにと言いました。兄は頑固な上、海辺育ちで大風や大波などは何度も経験していましたが、私たち台北の7人の兄弟姉妹に姪、甥も含めたみんなから次々と電話で警告され、テレビでも台北のひどい状況を見てやっと警戒心を少し持ち始めました。母のいる村は近隣のどの村よりも低い上、濁水川の河口に接しています。もし、濁水川の堤防が崩れたり、海の方からも逆流してきたりしたら、恐らくニ階も安全ではないでしょう。ですから、母には食料を用意すること、兄には浮き輪を用意することと、田んぼやアヒル小屋には行かないよう強く言いました。遠く離れている私たちは、一日中テレビやラジオで台風の動きに注意していました。台風がカタツムリのようなのろのろとした動きで台中と彰化の方に近づいた時には、みんな、もう逃げられないと思いました。テレビで、付近の村がすっかり洪水になったのを見て、私は心の中でマスターに助けを求めるしかありませんでした。
台風は徐々に雲林、嘉義の方へずれて行きました。彰化の母の村は暴風雨の直撃の脅威から脱出することができたのです。電話で確認すると、母はとても喜んで「大丈夫、丈夫だよ、 水が村の入り口まで流れて来たけど、道路でせき止められたおかげで中に入ってこなかったよ。村の人はみんな喜んでいるよ」と言いました。私たちはそれを聞いてほっと胸をなでおろし、こんな事が起きたのは奇蹟ではないかとみんな不思議に思いました。突然、私はそのわけがはっきりとわかりました。「水は低い方へ流れる」のが自然の不変の法則ですが、マスターが話しているように、誰でも印心を受けて一生懸命に修行をしてさえいれば、先祖八代までも恩恵が得られるのです。マスターはまた次のようにも言っています。「私たちが大衆に奉仕すれば、神も私たちのために奉仕します。これが宇宙の法則です」「人を助けることは自分自身を助けることです」と。私の弟はマスターの印心を受けてから十数年もたっていて、いつもしっかりとメディテーションをし、また、人々のためにボランティアの仕事に参加する、幸せな観音法門修行者です。また、私もマスターの教理の翻訳作業にかかわっています。これらの事は取るに足らないものですが、それでもマスターは私たちが最も必要とする時に、こうして大きな贈り物をくださるのです。マスター、どうもありがとうございました。あなたは私たちの本当の「ノアの方舟」です!
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