マスターの話す物語

インドの幽霊話

スプリームマスター チンハイ フォルモサ・西湖センター
 1995.1.8(中国語)ビデオテープ 466

昔、インドにデビという名の女性がいました。インドの人々にはたいてい神と関係のある神聖で偉大な名前があります。デビというのは女性の天人のことで、その名前には大いなる意味が含まれています。時々、インド人は、自分の子どもたちがより良い人間になるように祈って、インドラ(神話の王)と名付けます。

このデビにはラフーブという名の幼い息子がいました。母と子は家を逃れなければなりませんでした。そこは悪霊で満ちていて、ラフーブの祖父母と父親の6人の兄弟など、たくさんの家族が殺されてしまったからです。ですから、彼らだけが家族の中の生存者だったので、デビは10代の息子を連れて、幽霊屋敷を離れる決心をしました。デビは息子を別の土地に連れて行き、そこで生計を立てるため職に就きました。

何年か経ってラフーブは成長しました。そして、自分の母親に尋ねました。「お母さん。ぼくたちはどこの出身ですか。友人はいつもぼくにこのことを尋ねるけど、どう答えていいのかわかりません。どうしてぼくたちが先祖代々の家を離れたのか、みんな知りたがるんです」。中国、オウラック、あるいは他のアジア人と同様、インド人は、先祖代々の家を非常に大事にするからです。

そこで、母親は彼にこの話をしました。「前に住んでいた所で、私たちの家族は8人も幽霊に殺されたのです。私たちが次の犠牲者になることを恐れ、自分たちに害のある所にはもうそれ以上住むべきではないと決心したのです」。するとラフーブが言いました。「えっ、家で人が死ぬのはそんなに奇妙なことですか。誕生がある所には死も存在します。人は自分の時間が来た時死ぬのです。彼らはもう死んでしまったのです。どうしてぼくたちが先祖代々の家を離れる必要があるでしょうか。戻るべきです。ぼくたちには何も起こりませんよ」。彼の勇敢さには非常に説得力があり、母親はついに同意しました。彼らは荷物をまとめて家に戻りました。

そうは言うものの、デビの心にはずっと恐怖がありました。毎日彼女は食前にその幽霊に食べ物を供養しました。それで、ラフーブは彼女の振る舞いを非常に奇妙に思っていたのです。

ある日、デビは息子の大好物を作りましたが、彼は幽霊の分も食べたいと思いました。もちろん母親は彼を止めました。それで彼は、「どうして? この食べ物は誰に供養するものですか。これはぼくの大好物です。まだ十分食べていないのに」と尋ねました。デビは言いました。「これは幽霊に供養したものです。彼はすでに私たち親族8人を殺しているんですよ。そうしないと、彼は私たちも殺すでしょう」
ラフーブは母親の説明に納得できず、「そんなことがあるもんですか。どうしてそんなに幽霊に気をとられてしまうのですか。もしかしたら、その幽霊はぼくたちの親族の死とは関係がないかもしれませんよ」と言いました。デビはその幽霊が親族の悲劇の背後にいると固く信じていました。8人の親族が次々に死んだからです。けれども、彼女は一度もその幽霊を見たことがありませんでした。すべてのことは想像にすぎません。彼女の言うことを信じない息子は詰め寄りました。「それを食べさせてください。幽霊なんていませんから」。母親が許さないにもかかわらず、彼は本当にその食べ物が食べたかったのです。そこで、彼女は言いました。「お願いだからそれを食べないで。食べないで幽霊にあげてちょうだい。あなたが食べてしまえば、幽霊はあなたを殺すでしょう。そうしたら、私はどうしたらいいのですか」。

その日、幽霊は本当にその食べ物を食べにやって来ました。ラフーブは座って彼が現れるのを待っていました。彼が現れた時ラフーブは言いました。「やあ、幽霊。おまえは誰なんだい」。すると、幽霊は彼に言いました。「やあ、若いの。おれはお前のじいさんの3番目の弟だ。死んだ後、おれはお前のじいさんや父親の兄弟たちを殺した。それというのも、彼らがおれの財産を奪い、貧困と苦しみの中で死に追いやったからだ。だから、おれは彼らみんなを殺すことでかたきを討ったんだ」。

ラフーブは尋ねました。「お前にはどんなパワーがあるんだい」。幽霊は言いました。「おれは実に強力さ。ハエをピシャリとつぶすのと同じくらい簡単に、おまえのじいさんたちを殺すことができたんだからな。何の問題もない。お前の母親だって殺せたんだが逃げちまった。戻って来たが、毎日食べ物を供養してくれるから、おまえたち二人は生かしておくんだ。よく聞け。おれは一瞬にして、天使の住む天国にも飛んで行けるし、幽霊の住みかにも飛んで行けるんだ。すごいと思わないか」。

ラフーブは言いました。「本当にそれほどのパワーがあるなら、ぼくをその神や天使が住む所に連れて行ってよ」。幽霊は言いました。「いや。それはできない」。ラフーブは「じゃあ、彼らにぼくの伝言を伝えてもらえるかい」と言いました。幽霊は「もちろんだ」と言いました。おまえは彼らに何を言いたいんだ」。若者は言いました。「ぼくはここでどのくらい長く生きられるか、天使に聞いてよ。何歳まで生きられるか」。幽霊は言いました。「いいだろう。聞いてくるぞ」。そして彼は消えました。

翌日、幽霊は再び現れラフーブにこう言いました。「天使はおまえが60歳まで生きられると言っていたぞ」。ラフーブは尋ねました。「じゃあ、ぼくがもっと早く死ぬこともできるかどうか、もう一度聞いてよ。40歳とか50歳で死ぬことができるか。早めに殺されることがあるかどうかも聞いて来てよ。それが不可能なら、100歳まで長く生きられるかどうか」。幽霊は言いました。「いいだろう。お前のために聞いて来てやる」。そして、彼は天使に聞くためにまた出発しました。

翌日、幽霊は戻って来て、「おまえの質問を天使に伝えたが、それは不可能だとおまえに伝えて欲しがっていた。おまえは一瞬たりとも、早く死ぬことも、遅く死ぬこともできない。人間の寿命というのは運命で定められているからだ」とラフーブに言いました。

この言葉を聞くなり、ラフーブはすぐさま幽霊のために供養した食べ物を飲み込んでしまい、台所に駆けこんで行きました。彼は大きな薪をつかみ上げ、それに火をつけ、幽霊を殴り、追い出しました。彼は、「おまえが出て行かなければ、おまえを殺すぞ。ずっと殴り続けるぞ」と言いました。幽霊は恐ろしい牙をむき、爪を見せて怖がらせようとしました。デビはそんなことをするのは止めてくれと、息子に哀願しました。けれども、ラフーブは、「お母さん、心配しないで。天使はぼくが早くも遅くも死ぬことはできないと言ったんだ。だから、もう幽霊を怖がる必要はないんだよ」と言いました。幽霊は食べ物を供養しなければ、二人とも殺すぞと脅かしましたが、幽霊もまた自分の耳で、天使が言ったことを聞いていたのです。ですから、彼にはもう何も言えなくなり、ラフーブに家から殴り出されてしまったのです。ラフーブが真実を学んでしまうと、幽霊はこれ以上彼を脅すことができなくなりました。幽霊もそのことに気がついたのです。(拍手)

私たちの心に神や仏陀がいるなら、それでも幽霊を恐れますか。神や仏陀は最高の存在です。それでも幽霊を恐れるなら、それは神や仏陀に対して十分な信心がないということを示すものです。信心がまだ弱すぎるのです。ですから、幽霊は比較的弱い人しか脅かすことができないのです。幽霊は、修行をして、より強い意志のパワーがある人々を恐れるのです。

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