Supreme Art
天と地のエメラルド
ハー カム タム同修(画家) アメリカ・サンノゼ (原文はオゥ・ラック語)

       「西湖夕照」 Supreme Master Ching Hai
      (油絵、70.6×50.8cm フォルモサ・西湖の風景)

日が、その最後の光線を地上に投げかけ、三つの山が同じ高さで並んでそびえています。一本の道が西湖の山林草木の間を横切り、道の白い砂はまるで曲がりくねった小川のように、全体の風景を二分しています。山頂の一つは絵の中央にそびえ立ち、他の二つの山頂の間に堂々と横たわっています。

学術的に言えば、「西湖夕照」は風景画の作品の芸術的原則を破っています。Supreme Master Ching Haiは、赤(熱)と青(冷)という二色の相反する色を使い、それぞれがキャンバスのおよそ半分を占有するようにして、山林草木と空を表わしています。そのような独特な構図と色の組合せは、インテリアデザインでは一般的ですが、芸術的絵画の世界においては、未だ受け入れ難いものとなっています。しかしながら驚いたことに、この絵は非常に価値ある芸術作品となっています。この並はずれた成功は、収集家ばかりでなく、著名な画家の間でも驚きの的となっています。

実際、Supreme Master Ching Haiの描く「西湖夕照」は、唯一大胆で際立っているために、あらゆる芸術的規則や原則はその重要性を失っています。色の持つパワーと画家の魂が、既成概念によって深く根づいてしまった抑圧を和らげると同時に、真、善、美(真理、高徳、完美)を切望するすべての心を高揚させ、その根源に回帰させます。紫とカナリヤ色、明るい黄色のような両極端にある色が、相反する「熱」と「冷」を調和させ、予期せぬハーモニーをもたらしています。画家はみな、この基本的規則はわかっていても、それをキャンバス上にこれほど美しく描きだすのは容易ではありません。画家たちは多くの場合、そのような絵の構想や草案を抱いており、また「この絵を完璧にしたい、あるいは少なくとも他の作品より良くさせたい」という願いがあります。この概念は、ときどき意図的ではないにしても、彼らの純粋な、創造的能力から来るインスピレーションを軽減させてしまいます。

この注目すべき絵画では、荘厳に描写された赤く燃え立つ夕日と、生い茂る山林草木のエメラルド色の世界を、黄昏どきの霞が包んでいます。Supreme Master Ching Haiの絵画だけが持つ独特な特徴は、西洋の油絵と洗練された東洋の技法を組合せて使用していることです。さらにこれらの裏には、鋭敏でありながら、明らかにゆったりとした魂があります。そういう理由で、「西湖夕照」は、世界の芸術的宝庫を非常に豊かにする、純朴な傑作だと信じています。

さらに、Supreme Master Ching Haiが用いた何本かの緑色の陰は、うまく描こうとすれば非常に熟練した技術を必要とします。適切に使用しなければ、その色合いの変化は、泥のように冴えないものとなってしまいます。しかしながらこの絵では、明るい緑色の陰はうねった大海の波のように織りなされています。この絶妙な色の組合せは、宇宙のパワーを象徴しています。それは驚きに値するのみならず、画家の懐の広さを思い起こさせることでしょう。より近づいて鑑賞すれば、絹糸のような夕日の光が山や芝生の上に揺らめき、広大な宇宙に漂っているのがわかります。実際、この絵をしみじみ味わってみて、この漂う光こそ、この絵のクライマックスであり、最後にこれを描いて筆を置いたのだと確信しています。

確かに、Supreme Master Ching Haiの描くすべての風景画は、最高水準美術であると言えます。絵画は国際的な言語です。それぞれの絵が、無数の言葉をもたらします。見る人は、親しい友人同士のように、絵との精神的な会話に引き込まれていきます。私は、Supreme Master Ching Haiの芸術作品を何度となく鑑賞していますが、見るたびに何か新しい発見をします。それゆえ、すぐ「これは、私の発見だろうか。それとも、もともとそこにあって、以前は気がつかなかったのだろうか」と考え始めてしまいます。

さらに、Supreme Master Ching Haiの絵を見つめていると、まぎれもなく遠い所に、この惑星の遥か彼方に運ばれていくかのようです。画家の内在の意識が、すべての筆使いに、すべての色の線や色合いに表れています。そして、それらは無上の愛の象徴だと信じています。彼女の絵の精神を見るたびにいつも、特別な由緒ある場所を訪れたように感じられ、母なる国の精神が大気中に満ちているようで、私の魂の最深部へと浸透していくのです。

天と地のエメラルド