これは実話です。私が知っている人の話です。友人ではありません。ただの知人です。私とその人が会ったとき、たしか二、三年前のことです。彼は私に、まだ結婚していないと言いました。私が「どうして?」と聞くと、彼は「忙しくてその時間がないんですよ」と言いました。
そこで私が「そう、じゃあ時間があれば結婚するのね?」と聞くと「ええ、もちろん僕は結婚したいんです。それに結婚したい相手もいます」と答えました。
私は彼に尋ねました。「結婚したい理由はなんですか?」
「ええと、独身生活というのはとても侘しいものなんです」と彼は言いました。例えば、彼が朝コップ一杯のジュースや飲物を飲み、急いで仕事に出かけてしまい、コップを洗いもせずテーブルの上にそのままにしておき、一日中仕事をして夕方家に帰ると、(みな笑う)コップはそのままになっていて、誰もそれを片づけてはくれない。それで彼はそれがとてもだらしなく感じ、寒々として嫌気がさすので、結婚したがっていたのです。そうする方がよいでしょう。
その後しばらくして、彼が結婚したと聞きました。私が「ああ、よかったですね。おめでとう!いよいよ結婚されたのですね」と言うと彼は「ええ」と答えました。
私が、「お幸せに。私はあなたが言った、空のコップが朝食の時から夕方帰るまでテーブルの上にそのままになっているという話を今でも覚えていますが、そのコップの話に何か変化がありましたか?」と聞くと、彼の返事はこうでした。「ええ、変化がありました。僕が家に帰るとコップが二つテーブルの上に置いてあるんです」(マスターと聴衆笑う。そして拍手)
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