子どものコラム
本当にあった子リス物語
アメリカ・インディアナ Hannah M. Vu同修 (原語は英語)

れは、木々が赤や金色に美しく染まり始め、冷たい風も吹き始めていたものの、空気はまだ暖かな、秋のある晴れた日の午後のことでした。

中学校の裏庭で、ダンという少年が、友人を自転車に乗せて家に帰るために、学校が終わるのを待っていました。彼が遊んでいると、一匹の小さなリスが彼の方へやって来ました。そのリスはとても小さくかわいくて、生まれて二、三週間しかたっていないようでした。まるで以前からその少年を知っていたように、リスは恐れもせずまっすぐにダンのところへ来ました。ダンは、リスが足を怪我しているのに気がつき、この怖がる様子もないかわいいリスに驚きながらも、リスをズボンに捕まらせ肩に上らせました。ダンの友人がやって来ると、彼らはそのリスはダンのペットだと思いました。ダンはとても喜んで、このオスのリスを「クラスター」と名付けました。

帰宅途中、クラスターはダンが自分を誘拐したのではないとわかっていたので、とても満足げでした。ダンはただ、誰かを必要としている、足を怪我した迷子の子リスを助けたかったのです。クラスターは家族が急いでいたせいで、ついて行けなかったのでしょう。それで、彼は簡単に迷子になってしまい、お腹をすかせていたのです。

子リスは逃げるような様子を見せなかったので、ダンの家族は愛の心で喜びました。ダンと弟は以前からペットを飼いたかったのですが、家族全員が印心を受けており、ペットを飼うことでたくさんの問題が生じることを知っていました。二週間前にもダンは母親に、犬や猫でなくハムスターなら飼ってもいいかと聞きましたが、彼女はねずみが怖かったのです。ハムスターもねずみの一種です。彼女は鳥肌がたってしまいました。

けれどもクラスターが来て、ダンは神の慈悲で願いが叶ったのだとわかりました。クラスターは世話をするのがとても楽でした。その上、少しの食物と寝るのにわずかなスペースが必要なだけで、ほとんど何も要求しませんでした。とてもかわいらしく、怪我をして何もできなかったので、ダンの両親は彼を拒めませんでした。それに一番良かったのは、彼が生れつきベジタリアンだったことです。食事はおもに木の実です。それで家族はとてもクラスターを好きになって、彼に夢中になりました。

クラスターが来たその日に、すぐ彼に蚤取りの首輪を買ってあげたので、蚤はすべて一晩で消えました。翌朝、クラスターは猫用にデザインされ、柔らかい毛皮が当てられた小さな箱と、たくさんの木の実をもらいました。彼の歯は木の実の殻を割るほど強くなかったので、木の実はすべて砕いてありました。

最初の二、三日は、生のピーナッツを食べ、それからダンは彼の食事をクルミに変え、そしてペカン、ヘーゼルナッツ、そしてアーモンド!ついに、ダンの母親はミックスナッツの袋を買わなければなりませんでした。彼女はリスを非常に甘やかして、自分で選ばせるために袋ごと与えました。

子猫と同様、リスもとてもきれい好きでしたが、風呂に入るのは嫌いました。彼は毎日自分の舌を使って毛繕いをしました。しかし子猫よりも良いことは、彼の「トイレ」は、彼の「家」の隣にたった一枚のよく水を吸うペーパータオルを置いておくだけで良かったのです。そして濡らしたら取り替えるのです。たいへん驚いたことに、彼は、人や敷物や拭くことのできないような物の上を決して濡らしませんでした。彼はしばしば、適当な場所が見つかるまでトイレを我慢しました。ときどき、家族が旅行に出かけたり、「トイレ」の設備のないところへクラスターを置いていかなければならないときは、彼はまったく水分を取りませんでした。これは本当に不思議なことで、ダンはマスターがこのペットを授けてくださったことを、ますます確信しました。

ダンはクラスターが苦しんでいるのを見るに忍びず、後足の傷の治療のためにクラスターを獣医に連れて行くよう、母親に主張しました。しかし、獣医はクライスターが単に「野生動物」という理由で治療を拒否しました。慈悲深いマスターは、数日後には完璧に彼を癒してくださいました。彼は幸せな遊び好きな動物になり、すぐに家の周りを探検して、人間世界の新しい物を発見しました。彼は、躊躇することなく新しい家族の体によじ登って、彼らの膝や肩の上で気持ちよく横になり居眠りをしました。

クラスターがする楽しみの一つに、木を噛むことがありました。野生のリスはたいてい、カシやクヌギやナラの硬い殻でおおわれているどんぐりを食べるので、毎日歯を研がなければならないのです。ときどき、クラスターは外に遊びに行きましたが、あまり興味を示しませんでした。

秋が足早に過ぎ、冷たい冬が近づき、突然の風や雪をもたらしました。小さいクラスターは野外で暮らさずにすみ、また他の野生動物のようにどこか小さな洞穴の中に避難する必要もなかったので、幸せに感じました。一番いことは、昨シーズンから地中に残っている古いどんぐりを探さなくてもすむことです。もし、残っていればですが。中庭で働いていた庭師がクラスターに、よじ登ったり、噛んだり、座ったりするのにちょうどいい小枝が二、三本ついている長い木の枝を持ってきました。それは彼の体操機具になりました。

ダンの家の裏庭はちょっとした森でしたので、ときどきほかのリスが恐る恐る木の実を探しに来ました。ダンと弟がクラスターを彼らに紹介すると、彼らは不思議そうにクラスターを見ましたが、クライスターは気にもとめませんでした。少年たちは彼らの隣人である動物に、殻付きの木の実をあげるのを本当に楽しんでいました。人なつこいリスたちは木の実を抱え、同時に口にも頬張り、そして後で食べるために近くの庭に運び、埋める場所を探しました。そして、彼らはもっと拾いに家まで戻って来て、食べるのは最後の一つだけです。リスたちが、何日も前に木の実を埋めた場所をどうやって覚えているのか、本当に不思議です。

クラスターは聰明で優しかったので、ダンはときどき彼は野生動物ではなく、人間の魂を持つ家族の一員のように感じました。クラスターはその養子となった家族を愛し、彼らの抱擁や愛撫を非常に喜びました。しかし、客や見知らぬ人が彼に近づくと、彼の小屋に隠れたり、家族の所へ走っていきました。動物には魂がないなどと誰が言ったのでしょうか?このような動物を単に楽しみのために殺したり、食べたりするような心を誰が持っているのでしょうか?ダンは動物がとても愛らしい存在だとわかって、人間と動物が幸せに、そして平和に共存できるようにと望んでいます。

春が訪れて、厳しい冬の気候も穏やかになり、大地は柔らかい緑色の草のじゅうたんでおわれるようになりました。ある日、ダンの母親が冷たい新鮮な空気を入れようと中庭のドアを開けると、クラスターは外の世界へ探検に出かけて行きました。外は美しく、広々として、自由でした。たとえ家族が彼を非常に愛していたとしても、彼がここにとどまりたくないのなら無理に引き止めるつもりはありません。しばらくして、おそらく行こうかどうか考えた末、クラスターは戻ってきました。次の日、彼は再び中庭に行き、今度は外の世界をもっと経験しようと決心しました。彼は長い間デッキに座り、匂いをかぎ、自然を見、外の芝生や森をながめていました。わぁい!おそらく、今までよりも良い生活があることを知らなかったのです。たぶんこう思ったのでしょう。「本当は外の方が好きなんだ」と。そして、デッキから庭に降りてそして林の方へ行きました。素敵な新しい冒険が彼を待っていました。

クラスターが戻らないので、ダンと弟は彼を探しましたが、外は非常に広く、彼はすでにどこか森の奥深くに行ってしまったのでした。彼らはクライスターを失って非常に寂しく思いましたが、悲しんでも何の役にもたちません。クラスターが戻ってくるのを期待しながら毎日外を見ていましたが、彼は戻って来ませんでした。彼は永遠に去ってしまい、新しい独立した生活が始まったのです。彼らは彼の蚤取りの首輪がとれて、首が普通に成長するように祈りました。あるとき、幸運にも彼の首輪は取れたのです。クラスターが半分ほど噛んでいたのです。彼に神の慈愛が永遠にあらんことを願います。

小動物でさえ、人間の愛がわかります!

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