Suma Ching Haiの絵画「郷愁」に描かれた、オゥ・ラックの田園
パステル画 33×45・ フォルモサ・西湖道場 1990年10月
「郷愁」は静物画であるにもかかわらず、強烈な色を用いることによって、オゥ・ラック特産の果物「ゴールデンドラゴン」が、非常に生き生きと描かれています。この作品は、天才画家Suma Ching Haiの描く他の作品と同様、非常に風変わりで独特な、伝統にとらわれない絵画様式を表わしています。
半分に切った切り口が、二つの同じような円を並べて見せている「ゴールデンドラゴン」の後ろに、もう一つ「ゴールデンドラゴン」が置かれています。暖かみのある緑の葉が数枚、竹かごの中にそっと敷かれています。葉の力強い色と、かごの柔らかい輪郭が混ざり合い、非常に具象的でありながらもロマンティックな作品に仕上げられています。
二つに切ったその果物の切り口の円形は、太陽と月を想像させ、それはまた無限の時間と空間や、輝かしい夜明けの光と夜のやさしい月の光を暗示しています。もう一度良く見ると、明るいビロード色をした果肉が背景となっているので、小さな艶のある黒っぽい種はまるで輝く星のように感じられます。その果物の甘さと新鮮さが、観る者に新鮮で芳しい花々や甘い果物で満ちた、肥沃で生き生きとした大地までをも思い起こさせるのです。その大地は、西オゥ・ラックの青水をたたえる川の周辺に広がっていて、オゥ・ラックのおいしくて貴重な果物はほとんどそこで成長します。
この「ゴールデンドラゴン」はとても特殊な木です。非常に太くて強いつるのような茎をしているので、つる草の一種と考えられていて、その茎はまるで空中を舞う青い龍の姿のようです。その皮は赤紫色をしていて緑色の葉で飾られて、まるで女王が身に着ける冠のようです。その美しい王冠は、神の御手により丹念に創られました。
その「強烈な」色は、緑の葉をいっそう暖かく見せています。果肉の淡い灰紫色は、道に迷った星々の帰り行く「故郷」のようです。オゥ・ラックの大地の肥沃な特色を控えめに表わすことよって、実際には、実に熱く観る者の心を感動させます。それぞれの人の魂に、私たちの本来の「家」は、月や星々の不滅の世界にあることを訴えかけているのです。ゴールデンドラゴンは、母の言葉のように、また厳粛に忠告する神の宣言のように、やさしく私たちに愛に帰ることを思い起こさせます。
絵画「郷愁」を見ていると、いとも自然に、私たちをすばらしく楽しい平安へと引き戻してくれるような、そんな暖かさと懐かしさを感じさせるのです。すべての理論が完全に終わりを告げ、論証はすべて完璧に消え去ります。私たちは色と音とで紡がれた詩歌の夢の中に漂います。絵画「郷愁」は、私たちのそれぞれの魂に、これらの素晴しい要素をもたらし、私たちが神の最も偉大な創造物であり、つねに私たちの内在に善と美が存在するということを認識させる手助けとなります。
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